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薪ストーブの歴史

薪ストーブの歴史

古代から「火」は聖なるもの、文明のシンボルとして人類の繁栄と進化に深く関わってきた。
薪ストーブは、もともと焚き火から発展し、囲炉裏、暖炉、箱形ストーブと進化した暖房器具だ。原型となる鉄製の箱型薪ストーブは、14世紀後半にフランスで誕生し、その後ヨーロッパ各国で製造された。
そして薪ストーブの歴史をひも解くうえで記念すべき年が1742年。アメリカの政治家・著述家・物理学者として名高いベンジャミン・フランクリンによって開発された「ペンシルベニア式暖炉」、通称「フランクリンストーブ」が登場した年だ。

フランクリンは、当時主流だった暖炉の欠点(せっかく暖まった空気が煙突からすぐ外に出てしまうために暖房効率が良くなかった)を克服するとともに、既存の鉄製箱形(密閉型)の薪ストーブの特性を生かしつつ、同時に炎の照明効果が得られるよう、フロントドアが大きく開く開放型に改良した。このフランクリンストーブは当時の一般的なストーブに比べ2倍暖まり、薪の使用量は3分の1以上節約できると評判だった。とはいえ上流階級向けで値段が高く、一般の人々にとってはまだまだ贅沢品であった。フランクリンは、未来の薪ストーブ開発に自分の設計を活用してもらいたいという思いから、あえて特許申請をしなかった。以後、「フランクリンストーブ」を模倣した薪ストーブが市場に次々と登場することになり、18世紀のアメリカでは薪ストーブが一般家庭に普及するまでになったという。

現在の薪ストーブは最新の機能が満載のハイテク機器だが、基本的には密閉された鉄の箱の中で効率的に薪を燃焼させ、熱せられた鉄から放射する輻射熱で暖まる、そんなベンジャミンの理論がそのまま生かされている。

電気ストーブとの違い

薪ストーブの最大の特徴は、
遠赤外線(※)による輻射熱で家中・部屋中を暖めることができること。
そして日光浴をしているように、体の芯から優しくじんわり暖まることだ。
この日だまりのような感触は格別で、一度体験すれば誰もが魅了されてしまうだろう。

頑丈で分厚い鋳物の本体から炎や煙が室内に漏れ出すこともなく、たとえ有毒ガスや黒煙が発生しても、ストーブ内では常に上昇気流が発生しているから、煙突から屋外に排出されるだけ。室内の空気環境に問題は生じない。加えて、薪ストーブの燃焼で室内の空気が浄化され、生活臭が残らない。

他にも、薪ストーブのメリットを挙げてみよう。
・ 炎を見ているだけで心が癒される。|・ 炎と遠赤効果で、仕事の疲れから開放される。|
・ 家の中で焚き火をする楽しみができる。|・ 身体の隅々まで温まり、冷えとり効果抜群。|
・ 家族が自然に薪ストーブの周りに集まる。|・ 遠赤外線で美味しい料理が楽しめる。
・ 薪は再生可能な循環エネルギー。石油と違って枯渇しない。|・ 森を活性化し、地球温暖化の抑制になる。
・ 部屋干しの洗濯物がすぐ乾く。|・ 24時間暖かい。|・ 人生が何倍にも豊かに感じる。

石油でも電気でもガスでも、これだけの暖房+αの効果を得ることはできないだろう。
当然のことだが薪ストーブは、スイッチひとつで一定温度にすぐ暖めてくれる石油・ガス・電気ストーブとは違い、あれこれ手間のかかる道具だ。木を集めて、割って、乾かす、という薪の準備に始まり、焚き付け~火を育てて部屋が暖まるまで、どうしても「時間」と「手間」はかかる。しかしそこにこそ魅力がある。すべてがリモコン操作ひとつでできてしまう効率重視の時代、果たしてそれが本当に良いことなのか。薪ストーブの本当にいいところは、こんな便利な世の中で、あえて手間をかけるという点にあるのではないだろうか。

薪ストーブとエコ

森は二酸化炭素を酸素に変える

みんなも知っている通り、木は光合成によって取り込んだ二酸化炭素を酸素にして放出している。木は二酸化炭素を吸収することで、地球温暖化防止に貢献しているのだ。 薪は薪ストーブの燃料として必要なものだが、伐採することで森の木が少なくなり二酸化炭素の吸収能力が失われるのではないかと思う方も多いはず。

木の寿命と二酸化炭素の吸収量の関係

木は樹齢30年ほどで二酸化炭素の吸収量が最大となり、あとは増加しなくなるということが分かっている。 木の寿命は永遠ではなく、木を伐採せずに放置していても、いずれは二酸化炭素の吸収能力が失われてしまうのだ。 ある樹齢に達した木は伐採して利用し、新しい木を植えるというサイクルを守ることが環境保全には最も大切なことなのだ。

【森林の物質生産量と各部位への分配】

カーボン・ニュートラルって?

木には『カーボン・ニュートラル』という性質があり、薪ストーブや暖炉の薪として使用しても大気中の二酸化炭素を増加させることはない。 なぜなら、薪を燃やして発生する二酸化炭素は、木が生長していた間に空気中から光合成によって取り込んだものだからだ。 つまり、空気中の二酸化炭素を分解して炭素として蓄えていたものが燃えることによって、その炭素を二酸化炭素に戻しているということ。 そして、薪として燃やした分の木を新たに育てれば、発生させた量の二酸化炭素を空気中から取り除き、再び木の中に蓄えることができる。このサイクルを保つことで、薪ストーブや暖炉などの燃料として薪を燃やしても、実質的に空気中の二酸化炭素を増やすことにはならないのだ。

【カーボン・ニュートラル】
1~3のサイクルを繰り返すことで、エネルギーを利用してもCO2を増加させることはない。木を暖房などのエネルギーとして使う分、化石燃料の使用を減らし、CO2を削減できる。 1.CO2を吸収する。
木は光合成によって二酸化炭素を分解し、酸素を放出します。 2.木を加工する。
木を伐採して、建材や薪などに加工し利用します。 3.CO2を放出する。
薪などは燃やすことでエネルギーを利用し、二酸化炭素が排出されます。

カーボン・ニュートラル


森林の年間成長量(再生量)

徳島県(美馬地域)の人工林だけで、年間成長量は約1,200トンになる。人工林と自然の森林すべての成長量は約100,000トンにもなるのだ。年間100,000トンの森林は成長(再生)を続けているということになる。 つまり、その再生している量の木を薪などとして使用しても環境破壊にはならないばかりか、国内の木を利用し、そのお金を山に還すことで十分な整備も可能となり、結果として環境保全につながるのだ。 森林は人が手を加えないと、むしろ上手く成長できず枯れてしまう。そして、一度人の手が入ると、途中で投げ出すことはできなくなる。永続的に整備しないと、森林は正しい成長ができなくなってしまうのだ。

薪ストーブの薪に間伐材の利用

今までは使用されていなかった間伐材や街路樹の手入れで出る枝などを薪として利用する場合、燃やさなくても腐敗して二酸化炭素を発生させることになる。しかし、暖炉や薪ストーブのエネルギーとして利用すれば、その分"化石燃料"の使用を減らし二酸化炭素の発生を抑えることができるのだ。 間伐材という今まで廃棄されていた資源を、薪ストーブなどの薪として利用することで環境負荷低減にもつながるぞ。年間約30万ヘクタールもの間伐材が発生しており、これらを有効活用することは大きな課題となっているのだ。

化石燃料よりクリーンな自立型エネルギー

エネルギー源として化石燃料(石油や石炭など)と薪を比較しても、薪には環境面でのメリットがあるのだ。 化石燃料に比べて、薪の二酸化炭素排出量は非常に少なく、その他にも二酸化硫黄や窒素化合物の排出量も少ないことが分かっている。 …とはいうものの、煙をたくさん出すような薪の燃やし方では燃焼効率が悪くエネルギーの無駄が生じ、粒子状物質やタールなどが発生してしまうぞ。
しかし、現在の多くの薪ストーブは燃焼効率を上げ、"発生した煙を燃やす機構"(2次燃焼など)を持っているので、これらの排出を抑えることができるのだ。 ガスや電気などの集中型エネルギーとは違い、住まい手が選べる自立分散型のエネルギーであることも薪ストーブの大きなメリットなのだ。


薪は地産地消を心がける

燃料となる薪は、家の近くで調達することが理想的と言える。産地から消費地まで遠距離を運ぶと、運搬にかかるエネルギーが環境負荷を増やすことにもなる。近くの山から出る間伐材などを薪に使うことができればベスト!

日本の森林における現状を知ろう

現在、日本各地の山には戦後に植林したスギなどが伐採期を迎えているにもかかわらず、需要が見込めないために放置されているのが現状だ。このような状況は、良い材を育てる面からも環境保全の面からも好ましくないことだ。 間伐材を積極的に利用することで、経済面からも日本の林業の再生につながるのだ。